マンションに暮らしはじめると気になるのが騒音です。マンションの遮音性能のカギを握っているのは「遮音等級(住宅性能表示制度では適応等級)」という数値です。遮音等級には「軽量衝撃音(LL)」と「重量衝撃音(LH)」の2種類があり、さらにこの2つを組み合わせた単位に「L値」という単位もあります。こうした生活騒音がどれくらいあるかを判断するのが「遮音等級」です。マンション購入の際には重視するべき点です。
マンションの軽量衝撃音は床の仕上げに用いる材料と仕上げ工法に関係してきます。仕上げ工法については「直床工法」と「二重床工法」に別れます。二重床工法は、床とスラブの間に空間がありますので遮音性に優れています。遮音性は数字だけではなく工法や材料によって違ってきますので入念にチェックしましょう。
マンションの隣戸との間にある壁(界壁)の遮音性の判断基準は、空気が伝達する音の指標を示す「D値」で判断します。D値は数字が大きいほど遮音性能が高いことを示します。一般的なマンションは界壁の材質はコンクリートなのでD値は計算上ほぼ決まります。ですから設計図書や図面書であらかじめ確認しましょう。
マンションの壁は、仕上げ工法は「直張り工法」と「GL工法」に代表される「ふかし壁仕上げ」に大別できます。直張り工法は遮音性がありますがGL工法に代表される「ふかし壁仕上げ」は直張り工法とは違ってコンクリートの表面はそのままでGLボンドや軽量鉄骨、木軸などを使った下地に石膏ボードを貼り付け、クロスなどで仕上げます。二重壁になるので遮音性が高いように思いますが、コンクリートと壁仕上げの間に空洞があり、音が響いて太鼓現象が起こるので界壁にGL工法は用いないようにしましょう。
マンションの音で気になるのは外部からの騒音です。音を一番多く伝える場所は窓や玄関などの開口部です。サッシの遮音等級は「T値」で表され、数字が大きい方が遮音性能が高くなります。理想は「T3」のサッシで、35デシベル以上の遮音効果があり、静かな音環境を確保できるでしょう。
マンションの住戸内の騒音は配水管などを通すパイプスペースからのものが多いです。そこで配水管には遮音シートを巻いたり、パイプスペースの間の仕切り壁にグラスウール等を入れたりして遮音する場合が一般的です。
超高層マンションは、軽量化を図るために構造と非構造体は別の素材で作られており、一体になっていません。これは超高層マンションは風圧を受けて風圧を軽減させる構造になっているためで、これが遮音性の低下に繋がる場合があります。
超高層マンションは、軽量化のため非構造壁である外壁に気泡の入った軽いコンクリートパネル(ALC)を並べて、そのパネル間をコーキング材で埋めるという工法を採用しています。実はこのコーキング材が紫外線や風雨によって劣化し、ひび割れを起こし雨漏りが発生することがあります。
マンションの外壁には季節によって熱気や寒波などに晒されています。夏の場合はマンションの外側が熱せられて、とても温度が上がります。外側がコンクリートであれば蓄熱量が多いので夏場はとても熱いです。ですから外断熱工法にしておけばコンクリートが熱くなることはないので夏場の室温が安定します。
マンションの断熱性能は厚さに比例します。ただし地域によって断熱基準が違います。南北に細長い日本では、統一された断熱基準を作ることが難しいのでそのようになりました。厳密にいえばややこしいのですが、断熱性能は断熱材の種類と厚さで決まるという基本は変わりません。
マンションの断熱性能を判断するポイントは、断熱材の厚さにありますが、「断熱の折り返し」も大切なポイントです。断熱の折り返しとは、断熱材の施工が必要な外壁面と直交する壁や天井、つまり界壁や天井、床のスラブに施工する断熱材のことです。断熱の基本は熱を遮断することですから、断熱材の折り返しがあると有効です。
マンションで使用されるガラスにはシングル(単層)とペアガラス(復層)があります。断熱性能が高いのは当然ペアガラスです。それはガラスとガラスの間の空気の層が断熱材の役割を果たすからです。遮音性能に関しては、シングルはペアガラスかというよりもガラスそのものの厚さが関係します。
マンションにアルミサッシが使われている場合は購入しないほうがいいでしょう。それは建築材料の中でもっとも断熱性能が低いのがアルミだからです。そしてアルミサッシは結露が一番発生しやすいので周辺部の劣化などを引き起こします。結露などの問題を考えると、アルミ製よりも樹脂製、樹脂製よりも木製が優れています。
マンションの断熱性能を考える際に、結露には注意してください。断熱が不十分で、欠損がある場合などは空気の温度差によって壁の内側などにも結露が発生する場合があります。結露がたまるとカビが発生して健康に害がでますので注意しましょう。
マンションの施工管理の質はどうやれば見極められるのでしょうか。最近では現場見学会を開いて施工途中でも現場状況を確認できますが、まだまだ少数派です。今のような状況下では追加料金を払ってでも施工写真付き報告書を提出してもらうか、断熱工事終了後の状況を確認できるように要望する方法しかないでしょう。
マンションは、1階と最上階は外気に接する部分が多いので断熱に対してより配慮が必要です。1階の床下に配管のメンテナンススペースである「ピット」がある場合や、1階が駐車場になっていて、2回住戸の床スラブが外気に接する場合も該当します。最上階は、屋根スラブに直接日光があたりますので最上階は熱いです。ですので屋根のスラブには外断熱を用いて念入りに断熱がしてある必要があるのです。
マンション室内は閉め切ったままの状態が長く続くと、二酸化炭素などの燃焼ガスや、湿気などがたまってしまい空気環境は悪化します。こうしたことを防ぐシステムが「換気設備」です。この換気設備は給気と排気がワンセットになってはじめて機能します。通常排気だけを機械で行う換気設備(換気扇など)が主流です。
マンションはコンクリートでできているため気密性が非常に高いのでドアや窓を閉め切ってしまうと室内の空気はほとんど換気されません。これでは健康を害する可能性がありますので平成15年に建築基準法の改正があり「戸建てやマンションなどの住宅はすべて24時間換気システムの設置が義務付けられました。ただし24時間換気システムの換気は万全ではありませんので、キッチンやトイレなどの換気は別に考えましょう。
マンションのシックハウス症候群の問題は未だになくなっていません。シックハウス症候群は、建材や家具などから発散するホルムアルデヒドをはじめとするVOC(揮発性有機化合物)が原因の一つとされています。何らかのアレルギーを持っている人はシックハウス症候群になりやすいのでマンション購入前にアレルギーテストなどを行いましょう。
マンションは、建築基準法が改正されてホルムアルデヒドの発散量の多い建材は使用が規制されています。内装材は、発生するホルムアルデヒドの発散速度に応じて等級が区分されており、F☆☆☆〜F☆☆などの記号で表記されています。ホルムアルデヒドの発散量がゼロか微量であり、安全性が高いのは「F☆☆☆☆(エフスターフォー)」です。つまり、F☆☆☆☆の建材を多く使っている物件のほうがシックハウスに対してより配慮をしているということです。
マンション引渡し後にきっちりと室内環境を測定してもらいましょう。入居前に測定していれば、万一入居後に発症したとしても原因は家具になると判断できますのでトラブルを避けることもできます。測定物質は、ホルムアルデヒド、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、アセトアルデヒドの6物質を行うのが理想的です。
マンションに住んでいて、地震に遭遇してしまった場合に、ドアに耐震枠が付いているかどうかが生死を分ける問題になることがあります。地震によってドアの枠がゆがんでしまって外に出られない事態が起き得るからです。このような事態にならないように、ドアはは「耐震枠付き」のものが使用されているかどうかを確認しましょう。
地震時に、マンションの玄関から避難できない場合は、バルコニーから避難することになりますが、バルコニーには隣接した住戸へ避難できるように、いざというときに蹴破って移動できる隔て板が、隣戸間に設置されています。避難経路を確認し、何枚の隔て板を蹴破る必要があるかを確認しておきましょう。
マンションの避難口の安全対策で、案外見落とされているのが共用部に面する窓です。共用部に面していますのでセキュリティー上の問題から面格子が設置されていますが、これが外れるかどうかの確認をしましょう。火災が発生した際に面格子が固定されていると避難ができないからです。
マンションのエレベーターには人命を守るために「停電時管制」「地震時管制」「災害時管制」などの安全対策が用意されています。それぞれの物件によって対策が異なるので必ず確認しましょう。ちなみに停電時は、停電が起こったときの最寄の階へ降りて扉を開放し、避難に必要と思われる一定時間後に扉を閉鎖し、動かないようにロックする機能が付いています。
火災時に管制があるマンションは非常に優秀です。何故なら火災時管制は導入するのにコストがかかるからです。火災時はエレベーターシャフトが炎や煙の通り道になる可能性が高くなるのでエレベーター内は危険ですので火災時管制があるマンションは安心です。
マンションは最近ほとんどがオートロックを採用しています。オートロックは部外者の侵入に対しほとんど効果がありません。入居者や来訪者と一緒に何食わぬ顔をして内部に入ることは容易ですのでオートロックは安全対策とは言えません。集合玄関の防犯対策としては防犯カメラが一番でしょう。犯罪そのものを防ぐことはできませんが抑止力として効力があります。
マンションの専有部内での対策も「侵入を防ぐ」ことが重要です。進入の危険が一番高い場所は面格子のないバルコニーの窓です。マンションのバルコニーの窓には、サッシの開閉センサーを設置し、割れにくい強化ガラス等を採用しましょう。
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